研究内容
多剤耐性菌(AMR)の臨床疫学・耐性機構に関する研究
抗菌薬が効きにくい「多剤耐性菌(AMR:Antimicrobial Resistance)」の増加は、世界的な保健上の重大な課題です。WHO(世界保健機関)では、特に新しい抗菌薬の開発や対策が急務とされる耐性菌を「優先病原体リスト(Priority Pathogens List)」として公開しています。このリストには、カルバペネム耐性アシネトバクターや緑膿菌、カルバペネム耐性・ESBL産生腸内細菌目細菌などの最重要菌株をはじめ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、耐性淋菌、マクロライド耐性肺炎球菌などが挙げられています。
当講座では、こうした国際的な指標を踏まえつつ、特に本邦の市中感染症において臨床的意義が高い「市中感染型MRSA」および「カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)」を対象とした研究を精力的に推進しています。
これら主要な耐性菌の耐性機構の解明や疫学的特徴の整理を行うとともに、地域ごとの流行株に合わせた適切な対応策を検討しています。今後は、抗菌薬の適正使用推進、迅速診断技術の導入、そして継続的な分子疫学サーベイランスの構築を通じ、耐性菌感染症の克服に貢献してまいります。
山口哲央. 連載 Focus On 市中感染症と薬剤耐性菌. 臨床雑誌内科. 2025 Oct 1;136(4):963–9.


